きりゅめも。

2005年に一度更新停止しましたが、メインサイト崩壊に伴い復活させました!サイト管理もう追いつかない^^;ただの中年の戯言です!

首輪(楽あれば苦あり)...2004/10/28/Thu.

死というものは望んで来る物ではない。それは当然のことであるが、僕は何度もそう望んだものだ。いや、現在進行形で望んでいる。僕はこの世に要らない…不必要なもののはずなのに、どうしてこう生きなければならないのか。霜月に比べると成績は最悪だし、取り得があるとすればネットゲームで霜月に勝てるというくらいだが、そんなことは、霜月がゲーム下手という理由によるものであることくらい僕だって理解している。つまり僕は何も取り得がないのと同意なのである。もうこれは、生かされているとしか言いようがない。僕のような頭の悪いヤツが入れるのはお金で入れる私立学校くらいなわけだし、そんなわけで、かなり親にはお金を負担させて戴いている。そう考えると僕はやはり居ない方がいいのではないかと思う。まぁ、親なんて、どうでもいいんだけど。
「だからって学校行かないわけにはいかないでしょっ!お母さんたちが一生懸命働いて作ったお金を無駄にしちゃいけないよっ!」
「僕が死ねばお金を掛ける必要がないじゃないか」
「死んだら払った分が無駄になるでしょっ!」
霜月の言うとおりだった。
というわけで、今日も学校に行く。
「全く、いつもいつも朝はこうなんだから…低血圧にしても、もう少し早く寝てよねっ!」
お怒りである。
参ったなぁ…。
「ほらっ、返事はっ?」
「はいはい」
さすがに毎朝あんな戯言を聞かされると、普段そんなに怒らない人でもお冠になるようだ。
当然か。
「ほら、早くしないと間に合わないよっ!」
朝食以外は速く食べられるのだが、どうも朝は鈍いようで、僕でもスローペースとなってしまう。思ったほど口が上手く動かない。
家を出なくてはいけない時刻まであと10分、少々勿体無いとは思うが仕方ない。遅刻したら遅刻したで風紀委員の斑鳩が五月蝿い。着替えを済まし、玄関へと向かう。
「いってくるよ、文月。」
玄関の隅に置いてある籠の中で、すやすやと寝ているのが文月だ。かなり年を食った、老犬である。13歳だったっけか。



私立学校であるが故に、電車で通わなければならないのが僕の通う乙舳高校である。家から地元駅まで自転車で約10分、そこから更に電車で路線を2回変えて1時間半。家が田舎にあるため仕方ないにしろ、電車賃が高いという路線なので、…まぁ、当然のことながらお金がやはり、かかってしまう。